今月の断片 2022-12

 

 好きな人のことをたくさん考えた1年だった。もう、あまり読んでいる人もいないし書いちゃうけど、考えすぎてちょっと病んだ。
 もともとすぐに人を好きになるタイプで、しかも好きになるとすぐ告白してしまう。相手にどう思われているかは深く考えないまま実行に移すのもあり、13才から今までの10年間で7人に告白し6人にフラれている。自分でも、これはちょっと多いなと思う。どうかしている。今好きな人にも昨年すでにフラれていて、片想いが続いている。
 告白なんてしなければよかったと後悔ばかりしていたら、それを発端に人生の全てが失敗だったように思われ始めたのが今年の春頃である。そこまでくると、もう恋愛とは関係のない回路が働いていて、仕事や生活の自信を失い、自分を嫌うようになった。これまで生きてきたことを受け入れがたく感じるのはとてもみじめで、まるで永遠に続く下り坂を滑り落ちていくような、錨を抱えたまま海の底に沈んでいくような感じだった。見るもの全て灰色に感じられ、このまま死ぬのかも、とさえ思った。
 転機が訪れたのは9月のことである。好きな人と連絡を取る機会があって、そのまましばらくLINEが続いた。
 全快した。
 我ながら呆れる。なんなんだ本当に。あれだけ人生を憂いておいて結局それかい。中学生みたいな恋愛しやがって。
 そんなわけで、落ち着いた大人になれないまま、ぐるぐると同じところを歩きながら、年を越すことになりそうです。

 みなさん良いお年をお迎えください。