「やっぱりおうちがいちばんだね」 そう言ったのは、幼稚園に初めて行った日のぼくだそうだ。温かいお茶をすすりながら言っていたと母から聞くと、我ながら微笑ましくもなる。 ぼくたちは、いつもと同じだと、安心する。ずっと続くと退屈だけど、慣れ親しん…
靴を脱ぎ小川に裸足を浸していると、上流から笹舟が流れてくる。おかしなことに、笹舟には一行の言葉が乗り込んでいるらしい。気になってそれを手に取ると、こうあった。 「電車で隣の人が寝そうな時、寄りかかっていいのにといつも思う」 優しい人のあるあ…
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