今月の断片 2024-04

 

4月5日(金) 晴れ

 仕事終わりにふたごで焼肉へ行く。最近すぐつらい気持ちになるんだ、と話すと、僕全然つらくならないんだよなあ、自分のことをヨッシーか何かだと思ってるから、と言われる。本当にそう思ってそうで怖い。僕は自分がひどくおぞましい存在に思えるんだ。サンチュ食べる?

 

4月8日(月) 曇りときどき雨

 3ヶ月ぶりの出社。同じフロアの離れた席に、1年以上会っていなかった客先の社員を見かけたのだけど、いるなー、と思うだけで話しかけないまま夕方になった。
 仕事が終わらず残業していると、同じく出社していた先輩が突然、あの人からだよと言ってチョコレートを渡してくれた。本人を見るとニコニコしながら頷いていた。お互い、いるなーと思ってたんだろう。嬉しい。

 

4月14日(日) 晴れ

 稽古。座組の何人かで少し早めに集まって、気になっていたカレー屋さんに入る。なにか話さなくちゃと思って「高校の演劇部でも稽古場近くのカレー屋さんに入ったことがある」という誰も参照しようのない思い出を口走ってしまい、もう今日ダメだ、と思った。
 稽古帰り、駅のポップアップストアで見たことがないほど巨大なスイートポテトが量り売りされていて、それを横目に改札の前まで来たのだが頭の中に巨大なスイートポテトの残像が鎮座しており、わざわざ引き返して買ってしまった。ショーウィンドウには半分サイズも並んでいて、その断面は綺麗な六角形だった。

 

4月20日(土) 曇り

 お気に入りのプレイリストを削除してしまい落ち込む。記憶を頼りに再構成したが、なにか抜けているような気がしてならない。ただ順番を入れ替えたかっただけなのに……。
 数日前に後輩の俳優がうちに来て、物置になっていた和室に居候を始めた。普段は千葉の実家に住んでいるのだが、今月は東京の西側(つまり我が家の近く)で稽古があり、しばらく寝床を貸しているのだ。各々の生活をして、夜はリビングで談笑し、また各々の部屋に帰っていく日々はまさに理想のルームシェアという感じだ。
 これまでの過剰な遠慮と露骨な無視によって支配されていた生活とは天地の差だ。というか、こう書いてみるとシンプルに仲が悪いな。そしてその同居人はまったく顔を見せないまま同じ屋根の下にいまも暮らしているのである。変な家。

 

4月21日(日) 雨

 後輩が一時的に実家に帰ってしまい、ひとりで過ごす夜。そんな日に限って上手くいかず落ち込む出来事もあり、真っ暗な気持ちになる。こんな打たれ弱さで生きていけるのだろうか。犬を飼うしかないのかもしれない。慰めとして。

 

4月27日(土) 曇り

 このところ働き詰めで、連休初日の朝も仕事する夢を見てしまった。ちゃんと休もう。
 展示を見に北千住へ。道中、菓子パンを片手に歩いていた男性が花の蕾を見つけて立ち止まっており、かなり仕上がってるな、と思った。