今月の断片 2025-09

 

 遅めの夏休みとして連休を取って、丸一週間のんびり過ごした。旅行はせず、毎日自宅で肉や野菜をモリモリ食べていたらすこぶる調子が良い。やはり普段の元気は100%ではなく、フルタイムでパソコンと向かい合っているうちは遠く及ばないのだと分かった。
 その間に珍しく職場の飲み会があって、つい飲み過ぎてしまった。悪夢を見た。

 

 

今月の断片 2025-08

 

 その確信は微かな予兆とともに近づいてくる。やがて振り落とされるような衝撃があって人生のレールが切り替わる。速度は変わらない。予想もしなかったような方向へ、それでも走り続ける。

 

 この夏に入ってからずっと仕事が忙しく、22時に退勤しては冷凍食品を温める生活が続いた。これでテレワークでなかったら、と思うとゾッとする。
 会社員5年目ともなるとこの手の修羅場は何度か経験しており、その渦中にあってもいつか終わるのだと思って耐えることができる。目の前の苦痛を長い目で見た時の波長。それを受け入れることは結局のところ諦めに近い。
 月末に近づいてようやく落ち着き、今は仕事の夢も見ずに済んでいる。来月にずれ込んだ夏季休暇で一人旅でも行こうかしら。

 

 そういえば今月も旅には行ったのだった。いつもの友人たちとそのパートナーも含め、車を借りて茨城県大洗まで日帰りで出かけたのである。ちょっと遠くまで足を伸ばして、地元の美味しいものを食べて帰ってくる。ほとんど家族旅行の様相だった。

 

 

今月の断片 2025-07

 

7月5日(土) 曇り時々雨

 通り雨にビニール傘を買う。湿度100%の渋谷。顔見知りと見知らぬ人が入り混じって飲み、朝帰りを覚悟したがギリギリ終電に乗り込んだ。こんなことをしてる場合じゃない。

 

7月12日(土) 曇り

 深夜のカラオケ。tofubeatsを流し、"only 27 まだ踊り足りない"の年齢になると知る。そんな訳ないと思っていたけど、本当にそうなんですね……(踊っている)

今月の断片 2025-06

 

 3万円の枕を注文した。今もちょっとソワソワしている。社会人5年目になり、昇進もした今年の夏のボーナスを何に使うべきか。『嘘喰い』全巻か、高い枕か。迷った末、睡眠の質を取った。残りは貯金に回そう……と思っていたけど、まだ余裕はあるし、どっちも買おうかな。でもその場合、寝ずに漫画を読んでしまう危険性がある。

 

 藤沢で折り返し新宿に向かう電車に乗り込むとと、深く眠り込んだまま動かない人がいたので思い切って起こしてみたのだが、気がついた本人は何もわからないような表情のまま降りていって、ドアがすぐに閉まってしまった。ひとこと、藤沢で折り返すところですよと言えば良かった。

 

 最近、近所のどこかの家の風呂場から、ひとりの歌声がよく聞こえてくる。それが本当に上手くて楽しみなくらいである。

 

 

今月の断片 2025-05

 

 生まれて初めて好きなアイドルを見つけて、ライブのチケットに当選した矢先の出来事であった。

 もともと、アイドル文化を敬遠しており、お金の匂いがするんだよなとか、搾取の象徴だなどと勝手に思っていた。そんな人間が本当に応援したいと思えることなんて二度とないだろうからと、彼女たちを知った勢いのまま、翌日にはファンクラブに入会した。大きな会場のライブを予約するのも初めてのことだった。
 好きなメンバーが1人いて、歌声だけでなくブログに綴られる文章に心を掴まれていた。お茶目で飾り過ぎない人柄がそこから伝わってくるのだった。今度のライブでは担当カラーの緑色を揃えようなどと考えて、その人の歌うのを楽しみにしていた。

 ある朝、SNSに投稿された「大切なおしらせ」という見出しに嫌な予感を覚えながら添付の画像を開く。メンバー脱退の知らせであった。楽しみに思い描いていた未来が決定的に否定された瞬間だった。
 それはもう二度と起こらない。その姿を目にすることはない。別のことをしていてもフラッシュバックするように何度も思い知らされて、結局その日は落ち込んだまま過ごした。その気持ちを初めて理解した。
 こんな辛い目に遭うならもう二度とアイドルにハマりたくない、という気持ちに今はなっている。

 

 でももし、死ぬまでの間にもう一度だけ、誰かを応援したいと本気で思えたなら……

 

そのときは……

 

 

今月の断片 2025-04

 

 今月に入ってから忙しいを超えて「厳しい」日々がしばらく続き、圧迫されるような気持ちで過ごした。計画の破綻、前進への催促、圧力、疲弊……。しかしそれさえもどこか慣れてしまっている。そういえば、会社員になって5年目になるのだった。

 

 とある週末、初台での用事を済ませて原宿まで徒歩で出ようと、代々木公園を横切った。よく晴れた行楽日和で、見渡す限りに人々がひしめき、ピクニックをしたり散歩をしたり、理想の休日を過ごしているように見える。
 その中に、明らかに初々しい雰囲気を放つ大学生の集団がおり、見るだけで心が掻き乱されてしまう。8年前、同じように新入生の集まりに参加した当時のことを思い出す。精いっぱい盛り上がろうと務める初対面同士の中で一人黙り込み、誰とも一言も喋らずに帰ったのだった。
 今だったら、とつい思ってしまう。今だったら、簡単に笑うことができるだろう。ただ相手の調子に合わせて適当な相槌を返し、興味がないことでも質問を続けて、会話を繋げられるだろう。それさえしていれば、もっとたくさん友だちができていたかもしれないし、その中に恋人だっていたかもしれない。
 しかし、そんなことは有り得なかったともわかっている。
 言葉を交わすことは心を許すことだと思っていた。そして誰かに簡単に心を許すわけにはいかなかった。あの時は、それを信条としていたのである。