ポテトサラダが好き

 ポテトサラダが好きだ。その事実に最近気づいた。いつも、居酒屋に行って、メニューにポテトサラダを見つけると「注文しよう、なぜならポテトサラダは美味しいから」と思って注文している(ポテトフライも毎回頼むけど、それは別の話)。先日、いつも通りポテトサラダを注文したら、友人が「またポテトサラダ??」と言ってウケていた。人を笑顔にできたなら嬉しいが、意図していなかったので驚いてしまった。一般的に、ポテトサラダは、まぁ気が向いたら食べるかくらいの物なのかも知れない。しかも、ぼくはポテトフライも毎回頼むのだから、じゃがいもが2皿並ぶことになる。ここまで書いてみて思ったが、そもそもじゃがいもが好きなのだろうか。いやでも、やっぱりポテトサラダが好きなのだと思う。

 家でも食べられそうなポテトサラダを、居酒屋などの外食でわざわざ頼むのには理由がある。我が家のポテトサラダには、豆が入ることが多いのだ。これは父が豆を取引する仕事(詳細は知らないが、そう理解している)に就いているからで、それは同時に、ぼくが豆を嫌う理由にもなった。仕事柄、サンプルの豆が定期的に我が家に届き、それは夕飯のおかずになる。1日ではなく、連日豆が登場すると、それぞれ違う種類とはいえ豆は豆、飽きるのだ。しかも、こだわりのある父は豆を残されると怒る。そうしてほとんど無理矢理豆を食べさせられ続けた結果、豆が嫌いな豆売りの息子が誕生した。今はサンプルこそ来なくなったものの、我が家の豆食文化は続いている。無論ポテトサラダにも豆が入る。そんなわけで、ぼくは家ではなく、外でポテトサラダを食べるのを好んでいる。

 最後に、ポテトサラダの美味しい食べ方を書く。食べ方と言っても、ある食材を加えるだけだ。それは「柴漬け」である。以前デパ地下の惣菜コーナーで見つけたものを、母が真似したことから我が家で始まった食べ方だが、これがかなり美味しい。大きめに刻んで入れておくと、お互いが補色のような関係になって、それぞれの良さを際立たせるのだ。ポテトサラダに欲しい食感がちょうど柴漬けであり、柴漬けの塩辛さに合うのがちょうどポテトサラダなのだ。ぜひ、今度ポテトサラダを食べる機会があれば試してみて欲しい。僕はそうやって食べている。嫌いな豆を取り除きながら。