今月の断片 2021-03

 

3月7日(日)

 江國香織『号泣する準備はできていた』を読んだ。すごい短編集だ……。解決とかそういうことは無く、ただ通り過ぎるその時に見えるものが描かれている。おすすめ。
 緊急事態が延長され、最後の春休みはほとんどがその渦中となった。毎日本を読み、たまに配信を観て、数少ない友だちと連絡を取り、寝る前に体操をして過ごしている。双子とは仲が良くいつもふざけているが、親とは極端に喋らないので、躁鬱を疑われている。

 

3月8日(月)

 なんか身軽だな〜と思ったら傘忘れてきとるやんけ!出かける時雨っぽかったから持って出たのに結局すごく晴れ、どこかで傘を置いてきた。

 

3月12日(金)

 (広い意味で)好きな人のことを考えるのは、かつてとても良いことだった。好きな人の言葉や振る舞いを思い出すと体が温まった。けれどいまは、ただ寂しい。寂しいのは、好きな人に会えないからだろうか。夢の中にしかいないからだろうか。それとも、ぼくの中の何かが、死んで動かなくなってしまったのだろうか。

 

3月13日(土)

 サイゼリヤが、ほうれん草のクリームスパゲティをメニューから消したの、未だに根に持ってる。あと昔はドリンクバーにピンクソーダみたいなオリジナルドリンクがあって気に入ってたんだけどそれも無くなった(これ検索しても情報が見当たらないんだけど、あったよね?飲んでたのおれだけ?あの頃自分にだけ見えていた不思議な存在だったん?サイゼリヤのトトロってこと?)。

 

3月14日(日)

 最近、本を勢いで買っちゃうのが趣味みたいになってる。まだ読んでいないのも多い。これが積読ってやつ?
 先日何となく買ったのは『地球の歩き方 東京』。ずっと住んでる場所なのによく知らないな〜と思って買った。主に山手線沿線の観光スポットがテーマごとにまとめられている。写真がたくさん載っているのでパラパラめくるだけでも楽しい。どれも目新しく見える。ぼくは東京の歩き方を知らない。

 

3月19日(金)

 いや長いな春休み!半年以上前から「学生生活が終わっちゃうよ〜」と嘆き続けているけど、嘆き疲れて一回平常心に戻っちゃうくらい春休みが長い。まぁそろそろ就労してもいいかぁという気持ちさえある。コロナ禍じゃなかったら違ったのかな。

 

3月22日(月)

 複数人でいる時にふと自分の時間に沈んでしまって、寂しいような苦しいような気持ちになることがあって、でも最近はそういうことも無かったなと思った。隣同士、バラバラの時間、小さな嘘、夜の匂い、変容と呪縛、時計の秒針、終電のアナウンス。

 

3月27日(土)

 ある友人たちと久々に再会したのだが、口下手すぎて「公園にあった売店のたこ焼きへの文句」が本日の主要な発言になってしまった…。元からこんなに話せなかったのか、コロナ禍で酷くなったのかよく分からない。
 話したり黙ったりしながら、桜の園を歩いた。警備員がマスク着用を呼びかけていた。子どもがたくさん走っていた。

 

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4月から、平日は会社勤めをして、週末は集まったり観たり休んだりします。

 

お金が貯まったら一人暮らしをして、犬を飼いたいと思っています。