今月の断片 2023-06

 

 よく知っている人の顔を、改めて思い出したりよく見たりすると、全然知らない人のように思える時がある。なんとなく、違う学校の人、という感じがして笑ってしまう。もう学校通ってないのに。

 

 とある週末、4年ぶりに実施された社員旅行に初めて参加したが、みんな同じ会社のメンバーですよという建前のもと100人近くの見知らぬ大人と宴会やクルーズに参加させられ、全体的に誰?という気持ちに支配されながら過ごした。
 2日目にバスで向かった旧軽井沢銀座では、自由時間にみんなが食べ歩きなどをする中、ひとり道を外れて室生犀星記念館へ向かった。商店街の人混みを抜けて横道に逸れると、突然景色が変わって林道の入り口があり、すこし進んだところに作家の旧邸がひっそりと残されていた。その日は暑いほどの快晴だったが木立の中は涼しく、苔庭を木漏れ陽が照らしていた。都心ではまだ聞かないが、あの場所では蝉が鳴いていた気がする。あれだけは本当に良かった。

 

 朝8:30に目覚ましが鳴る。9:00始業、朝のミーティングに参加。12:00から昼休み、ニュースを見ながらご飯を食べる。14:30下校時刻の放送が聞こえる。15:00詐欺防止の放送が聞こえる。同時にリビングでルンバが動き出す。17:30夕方のチャイム。18:00定時。22:00くらいにお風呂。24:00就寝。朝8:30に目覚ましが鳴る。

 

 先日、近所の一軒家の塀に「大葉です。ご自由にどうぞ」と書かれた張り紙があり、その真下にプランターが置かれているのを見つけた。恐らく誰も手をつけていなかったのだが、今日見るとそれが近くの電柱の根元に移動していた。なんで、より抵抗感の強い場所に移動しちゃうんだ。他人の育てた大葉を取って食べること自体そもそも気が進まないのに、電柱の下に置かれていたら抵抗があるのは絶対だ。「そんなことありません。私の育てた大葉は綺麗で美味しいです。」生産者はこちらを真っ直ぐに見てそう言うのかもしれない。怖い。

 

 4・5・6月と毎月公演が続いたが、それも全て終演。感謝の正拳突き。今後は一応10月の資格試験に重点を置こうかなーと思いつつ、まあやっぱり色々、という感じ。